社長!ご存じですか?Vol.19 「求人票と実際が違う」と言われたら?採用時トラブルを防ぐ会社の伝え方
この記事で分かること
・求人票と実際の条件がズレる原因
・採用時に会社が説明すべきこと
・労働条件通知書で見落としやすい点
・入社後の「聞いてません」を防ぐ対応
こんな方におすすめです
・採用後すぐに「話が違う」と言われたことがある
・求人票を昔のまま見直しせずに使い回している
・面接でつい良いことを言いすぎてしまう
・採用しても早期退職が続いている
「社長、求人票と違う、って言われています」
これ、採用後に言われると本当に困ります。
会社としては、
だますつもりなんてない。
でも本人は、
「聞いていた話と違う」
「残業なしと書いてあった」
「事務職だと思って入ったのに現場もやるなんて」
「転勤なしだと思っていました」
こうなると、
入社早々に信頼関係が崩れます。
結論から言うと、
採用時トラブルの多くは、
“求人票・面接・労働条件通知書”のズレから起きます。
ハローワーク求人票と実際の労働条件が違う場合、
求職者はハローワーク窓口や求人ホットラインに申し出ることができ、
ハローワークが企業へ事実確認や必要な指導を行うことがあります。
「あとで説明すればいい」が危ない
中小企業では、よくあります。
求人票には、
「残業ほぼなし」
「未経験歓迎」
「丁寧に教えます」
「事務スタッフ募集」
と書いてある。
でも実際は、
繁忙期は残業がある。
未経験でもかなり早く覚えてほしい。
教育担当は忙しくてつきっきりではない。
電話対応も、来客対応も、現場補助もある。
会社としては、
「それくらい普通でしょ」
と思うかもしれません。
でも本人からすると、
「そんな話は聞いていない」
になります。
ここで揉めると、
入社直後から不信感が出ます。
そして数週間後、
「やっぱり合いません」
「退職します」
またか…。
採用費も教育時間も、全部やり直しです。
保存版:求人票チェックリスト
□ 実際の仕事内容と求人票の内容が合っているか
□ 残業時間を少なく見せすぎていないか
□ 「未経験歓迎」の教育体制が本当にあるか
□ 給与の内訳が分かりやすいか
□ 固定残業代の有無を正しく書いているか
□ 試用期間中の条件を明記しているか
□ 勤務地や転勤の可能性を書いているか
□ 業務変更の可能性を書いているか
□ 休日・休憩・シフトの実態と合っているか
□ 面接で求人票と違う説明をしていないか
特に大事なのは、
“良く見せる求人”より、“入社後にズレない求人”です。
採用したい気持ちが強いほど、
会社はつい良い面を前に出します。
でも、入社後にギャップが出ると、
結局お互いに苦しくなります。
2024年4月からは明示事項も増えています
2024年4月から、
労働条件明示のルールが変わり、
すべての労働者について「就業場所・業務の変更の範囲」を
明示する必要があります。
有期契約労働者については、
更新上限や無期転換に関する明示事項も追加されています。(厚生労働省)
つまり、
「最初は本社勤務だけど、将来支店勤務もある」
「最初は事務だけど、将来営業補助もある」
という会社は、最初から分かるようにしておく必要があります。
ここを曖昧にすると、
後で配置変更や業務変更をしたときに、
「そんな話は聞いていません」
となりやすいです。
対応ポイント整理
- 求人票を使い回さない
昔の求人票をそのまま出す会社、多いです。
でも仕事内容も人員体制も変わっています。
募集のたびに見直します。 - 面接で盛りすぎない
「残業はほとんどないです」
「すぐ慣れます」
「みんな優しいです」
こう言いたくなります。
でも実態と違えば、入社後に揉めます。
- 不利な情報も先に伝える
繁忙期の残業。
電話対応の多さ。
急なシフト変更の可能性。
覚えることの多さ。
先に伝えた方が、結果的に定着します。
- 労働条件通知書を必ず確認する
求人票、面接説明、労働条件通知書。
この3つがズレていないかを見ます。
求人情報や募集要項でも、業務内容・就業場所の変更の範囲など、
追加された明示事項に注意が必要です。 - 入社初日にもう一度説明する
採用時に説明したつもりでも、
本人は緊張して覚えていないことがあります。
初日に、勤務時間、休憩、残業、仕事内容、
相談先を再確認します。
まとめ
採用時トラブルは、
入社後に突然起きるわけではありません。
求人票の書き方。
面接での説明。
労働条件通知書。
入社初日の確認。
このどこかにズレがあると、
「聞いてません」
「話が違います」
につながります。
採用したいからこそ、
良く見せすぎない。
会社の現実を、
冷たくではなく、正直に伝える。
それが、早期退職を減らし、
現場の教育負担を減らします。
求人票は、ただ人を集める紙ではありません。
入社後の信頼関係のスタートです。
━━━━━━━━━━━━━━━
事業主と社労士のハーフから一言
━━━━━━━━━━━━━━━
人のことで悩むのは、
経営者にとって宿命のようなものかもしれません。
もちろん、
わたくし自身も日々悩みながらです(^-^)
だからこそ、
1ミリでも前進できたなら、
それは本当に素敵なことだと思っています。
━━━━━━━━━━━━━━━
さいごに
「試用期間中だから大丈夫!」
そう思っている会社ほど、
対応を間違えることがあります。
「うちも似た状況かも…」
と思った経営者の方は、
お気軽にご相談ください。
“問題が大きくなる前”の対応、
結果的にこれが一番コストを減らします。




