パートタイマー、嘱託、契約・派遣社員と就業規則

パート、アルバイト、嘱託、契約社員の就業規則はどうするの?

就業規則は本来、その事業所すべての社員に適用されるものです。もし御社に就業規則がひとつしかなければ、それがすべての従業員に全面的に適用されてしまいます。「就業規則はひとつしかないけど、パート、アルバイト、嘱託、契約社員には全部同じようには適用できない」、とお考えでしたら、別途それぞれの就業体系に対応した就業規則を作成、届出をしましょう。

作成ポイント

  1. 適用する範囲の定義を明確にしましょう。 例:就業時間が○時間未満の従業員、○ヶ月の雇用期間
  2. 基本給、手当、賞与、退職金、昇給の手続や条件を明らかにします。
  3. 残業や休日出勤の有無、もしあるならどのようにさせるのか?手続方法、条件を定めます。
  4. 年次有給休暇の付与日数や取得手続、比例付与の適用も考えましょう。
  5. 特別休暇、慶弔見舞、休職制度、福利厚生制度の適用の有無と手続方法、条件を定めます。
  6. 出向、異動、転勤の有無、もしあるならどのようにさせるのか?手続方法、条件を定めます。
  7. 服務規律、懲戒規定の適用の有無
  8. 兼業許可制、機密保持、競業避止義務の有無

派遣社員の就業規則はどうするの?

派遣労働者は派遣元に雇用されているので、原則として派遣元の就業規則が適用されます。御社が派遣を受け入れる先であれば、あえて派遣社員用の就業規則を定める必要はありません。しかし実際は受け入れ先で指揮命令を受けて働くことを考えると、受け入れ先における服務規律等を整備しておくことが労務管理上必要です。

そこで「労働基準法」はどう適用されるのか?という疑問が出てきます。

原則としては派遣元の事業主が労働基準法の責任を負いますが、一部派遣先事業主が責任を負う部分もありますので注意してください。【派遣法44条47条】

条文 内容 派遣先 派遣元
第1章 総則
3条 均等待遇
5条 強制労働の禁止
7条 公民権行使の保障
第4章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇
32条 労働時間
32条の2 1ヶ月単位の変形労働時間制
32条の3 フレックスタイム制
32条の4 1年単位の変形労働時間制
33条 災害などによる臨時の必要がある場合の時間外労働
34条 休憩
35条 休日
36条 時間外及び休日の労働
40条 労働時間及び休憩の特例
41条 適用の除外
第6章 年少者
60条 労働時間及び休日
61条 深夜業
62条 危険有害業務の就業制限
63条 坑内労働の禁止
第6章の2 女性
64条の2 坑内労働の禁止
64条の3 妊産婦に係る危険有害業務の就業制限
66条 妊産婦の時間労働等
67条 育児時間
68条 生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置
第7章 技能者の養成
69条 徒弟の弊害排除

派遣社員にはさらに「労働者派遣法」という法律も適用されます。