社長!ご存じですか?Vol.20 「試用期間だから簡単に辞めてもらえる」は危険?採用後すぐの見極め対応

この記事で分かること

・試用期間中でも簡単に解雇できない理由
・本採用を見送る前に確認すべきこと
・採用後すぐの違和感をどう記録するか
・会社が揉めないための見極め対応

こんな方におすすめです

・試用期間中の社員に違和感がある
・「思っていた人材と違った」と感じている
・本採用を見送れるのか迷っている
・採用後すぐの注意や指導を記録していない

「社長、試用期間中だから辞めてもらえますよね?」

この相談、実はかなり多いです。

面接では感じが良かった。
でも入社してみると、報告がない。遅刻がある。
覚える気配がない。
注意すると不満そうな顔をする。

現場からは、こう言われます。

「本採用する前に判断してください」
「このままだと教える側がもちません」
「早めに切った方がいいです」

社長も思いますよね。

「試用期間中なんだから、まだ大丈夫だろう」

でも結論から言うと、
試用期間中でも、
簡単に辞めてもらえるわけではありません。

試用期間中の本採用拒否や解雇についても、
試用期間の趣旨・目的に照らして、
客観的に合理的な理由があり、
社会通念上相当とされる場合に限り許される、
という考え方が示されています。(賃金調査サイト)

「合わない」だけでは危ない

採用後すぐに違和感が出ることはあります。

あいさつがない。
メモを取らない。
報連相がない。
教えても同じミスをする。
周りへの態度が気になる。

社長や管理職からすると、
「これは厳しいな…」と思う場面です。

ただし、
「なんとなく合わない」
「期待と違う」
「現場が嫌がっている」

これだけで本採用を拒否するのは危険です。

会社が見るべきなのは、
何が問題で、会社は何を伝え、
本人に改善の機会を与えたかです。

ここがないと、後から説明できません。

保存版:試用期間中の見極めチェックリスト

□ 試用期間の長さが就業規則に書かれているか
□ 本採用しない場合の基準があるか
□ 入社時に期待する役割を説明しているか
□ 問題行動を具体的に記録しているか
□ 注意・指導の日時を残しているか
□ 本人に改善してほしい点を伝えたか
□ 改善期限を決めたか
□ 教育担当者の負担を確認しているか
□ 本採用拒否の前に専門家へ確認しているか
□ 感情的に「合わない」と判断していないか

特に大事なのは、
採用後すぐの違和感を放置しないことです。

「まだ試用期間だから様子見で」
と何も伝えないまま最終日に判断すると、
揉めやすくなります。

14日以内なら何でもできる、ではありません

試用期間でよく誤解されるのが、
「14日以内なら自由に解雇できる」
という考え方です。

労働基準法上、試の使用期間中の者については
解雇予告の例外がありますが、
14日を超えて引き続き使用された場合は
解雇予告制度の対象になります。(都道府県労働局)

ただし、これはあくまで解雇予告の話です。

解雇そのものが有効かどうかは、別問題です。

厚生労働省も、合理的な理由があっても
解雇には少なくとも30日前の予告、
または解雇予告手当が必要であり、
就業規則には解雇事由を記載しておく必要があると説明しています。(厚生労働省)

つまり、
「14日以内だから大丈夫」
「試用期間だから大丈夫」
ではないのです。

それ相応の理由と手順が必要です。

対応ポイント整理

  1. 入社時に期待値を伝える
    「頑張ってください」だけでは足りません。
    1か月目に何ができればよいか、どんな行動を求めるかを伝えます。
  2. 違和感は早めにフィードバックする
    試用期間の最終日に突然、「本採用しません」
    では危険です。
    途中で改善点を伝え、本人に機会を与えます。
  3. 指導内容を記録する
    いつ、誰が、何を伝えたか。
    本人はどう反応したか。
    次回までに何を求めたか。
    簡単なメモで十分です。
  4. 教育担当者の声も拾う
    新人本人だけでなく、「教える側」も見てください。
    真面目な社員ほど、黙って抱えます。
    「またか…」が続くと、教育担当が先に壊れます。
  5. 本採用拒否は慎重に判断する
    本採用拒否は、実務上かなり慎重な判断が必要です。
    中央労働委員会の事例でも、
    試用期間中の指導が不十分な場合、
    本採用拒否の合理性が問題になり得ることが示されています。

まとめ

試用期間は、会社が自由に辞めさせる期間ではありません。

採用後に、
本人の適性や勤務状況を確認し、
必要な指導を行い、
改善の可能性を見る期間です。

「合わない」
「現場が困っている」
「期待と違った」

その感覚は大切です。

でも、会社を守るには、
感覚だけでなく記録も必要です。

試用期間中こそ、期待値を伝える。
早めに注意する。改善の機会を与える。
きちんと判断理由を記録して残す。

ここを整えるだけで、
採用後のトラブルはかなり減らせます。

個別の本採用拒否や解雇判断は、事情によって大きく変わります。
ことを進める前に、社労士や弁護士など専門家へ確認することをおすすめします。

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事業主と社労士のハーフから一言
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人のことで悩むのは、
経営者にとって宿命のようなものかもしれません。

もちろん、
わたくし自身も日々悩みながらです(^-^)

だからこそ、
1ミリでも前進できたなら、
それは本当に素敵なことだと思っています。

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さいごに

採用したばかりだから強く言えない。
でも現場はすでに困っている。

その初動、
放置すると後からもっと苦しくなります。

「うちも似た状況かも…」
と思った経営者の方は、
お気軽にご相談ください。

“問題が大きくなる前”の対応、
結果的にこれが一番コストを減らします。