社長!ご存じですか?Vol.15「会社名をSNSに晒します」最近増えている“SNS労務トラブル”とは?

この記事で分かること

・SNSに会社名を書かれたときの初動対応
・社長が感情的にやってはいけないこと
・投稿内容ごとの確認ポイント
・再発防止のために会社が整えるべきこと

こんな方におすすめです

・退職者や社員のSNS投稿が気になっている
・会社名や上司名をネットに書かれたことがある
・「削除しろ」とすぐ言いたくなる
・SNSルールを就業規則に入れていない

「社長、うちの会社名がSNSに出ています」

これ、本当に焦ります。

しかも内容が、
「ブラック企業」
「上司が最悪」
「残業代を払わない会社」
「辞めるまで追い込まれた」

こういう投稿だったら、
社長としては腹も立つし、傷つきます。

「誰が書いたんだ」
「すぐ削除させろ」
「名誉毀損で訴えるぞ」

そう言いたくなる気持ち、よく分かります。

でも結論から言うと、
SNS労務トラブルの初動で一番危ないのは、
社長が感情的に反応することです。

SNS上の投稿は、内容によっては名誉毀損などが
問題になる可能性があります。
ただし、実際に法的対応を取るかどうかは、
投稿内容、事実関係、公益性、証拠の有無などを
慎重に見る必要があります。
刑法では、公然と事実を示して
人の名誉を傷つける行為について
名誉毀損罪が定められています。

まずやるべきことは「スクショ」です

最初にやることは、怒ることではありません。

投稿を消される前に、
事実を保存することです。

いつ投稿されたのか。
誰の投稿なのか。
会社名、個人名、写真、取引先名が出ているのか。
内容は事実なのか、感想なのか。
拡散されているのか。

ここを画像のスクショで残します。

いきなり本人に、
「お前が書いたのか」
「今すぐ消せ」
と詰めると、話がこじれます。

相手が在職社員なのか、
退職者なのか、匿名なのか。
それによって対応は変わります。

保存版:SNS投稿を見つけた時のチェックリスト

□ 投稿画面をスクリーンショットで保存したか
□ 投稿日時、URL、アカウント名を記録したか
□ 会社名・個人名・顧客名が出ているか
□ 写真や動画が含まれているか
□ 投稿内容が事実か、意見か、不明か整理したか
□ 社内情報・顧客情報・個人情報が含まれていないか
□ 投稿者が社員・退職者・第三者の誰か確認したか
□ 本人に感情的な連絡をしていないか
□ 就業規則のSNS・秘密保持規定を確認したか
□ 弁護士・社労士などへ相談する必要性を見たか

特に大事なのは、
「会社の悪口」なのか、
「内部告発に近い内容」なのか、
「個人情報や機密情報の漏えい」なのかを分けることです。

ここを一緒にすると、初動を間違えます。

「書いた社員を処分したい」は慎重に

在職社員が投稿していた場合、
会社として注意や処分を
考えたくなることもあります。

ただし、懲戒処分は就業規則の根拠や行為の内容、
処分の重さとのバランスが必要です。
労働契約法では、懲戒が客観的に合理的な理由を欠き、
社会通念上相当でない場合は無効になるとされています。

つまり、
「腹が立つから懲戒」
「会社の評判を落としたから即解雇」
は危険です。

投稿内容を確認し、
本人に事情を聞き、
社内規程に照らして、
必要な範囲で対応します。

また、投稿内容が未払い残業代、
ハラスメント、安全衛生などに関するものであれば、
会社側の実態確認も必要です。

公益通報に関わる可能性がある場合、
事業者には通報対応体制の整備や、
不利益取扱いを防ぐ対応が求められています。
投稿者探しや報復のように見える動きは避けるべきです。

対応ポイント整理

  1. まず証拠を保存する
    スクショ、URL、日時、拡散状況。
    消える前に画像で残します。
  2. 投稿内容を分類する
    悪口なのか。
    事実の指摘なのか。
    個人情報や機密情報なのか。
    内部通報に近い内容なのか。
  3. 個人情報が出ていたら急ぐ
    社員や顧客の氏名、顔写真、連絡先、病歴などが
    出ている場合は要注意です。
    個人情報保護委員会は、
    漏えい等が発生した場合の報告や
    本人通知に関する資料を公開しています。
    内容によっては早急な対応が必要です。
  4. 本人に詰め寄らない
    「お前だろ」
    「訴えるぞ」
    この初動は危険です。
    確認は冷静に、
    記録を残しながら行います。
  5. SNSルールを整える
    就業規則、秘密保持誓約書、入社時研修、退職時説明。
    ここがない会社ほど、トラブル後に苦しくなります。

まとめ

SNS労務トラブルは、
一度出ると広がるのが早いです。

社長が傷つくのも当然です。
「こんな書かれ方をするなんて…」
と眠れなくなることもあると思います。

でも、初動で大切なのは、
怒ることではありません。

証拠を残す。
内容を分類する。
事実確認をする。
必要なら削除依頼や法的対応を検討する。
そして、社内に本当に問題がないか?を見る。

SNSに書かれたことだけが問題なのではありません。

書かれる前に、
社員が社内で言えなかったことはなかったか。

そこに目を向けると、
次のトラブルを防げることがあります。

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事業主と社労士のハーフから一言
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人のことで悩むのは、
経営者にとって宿命のようなものかもしれません。

もちろん、
わたくし自身も日々悩みながらです(^-^)

だからこそ、
1ミリでも前進できたなら、
それは本当に素敵なことだと思っています。

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さいごに

今回で、
【社長!ご存じですか?】労務トラブルシリーズ全15回が一区切りです。
お役に立てましたら幸いです!

次回以降は「会社の土台を整える労務対策編」です。

「うちも似た状況かも…」
と思った経営者の方は、
お気軽にご相談ください。

“問題が大きくなる前”の対応、
結果的にこれが一番コストを減らします。