年収の壁(106万/130万円、配偶者手当)・支援強化パッケージ開始!(だいぶ見えてきました^^;)

≪2023/11/9≫

「年収の壁・支援強化パッケージ」の続編です^^; 10月からお伝えしている社会保険適用促進手当、事業主の証明による被扶養者認定、キャリアアップ助成金・社会保険適用時処遇改善コースについてご案内いたします。この制度をどう使っていくのか?単に助成金をもらう、もらわない、というより、短時間勤務者に対してどのように取り組むのか?ビジョンを明確にしてからの検討が必要な制度だと思っています。みなさんはどのようにお考えですか?

(1)「社会保険適用促進手当」

最大2年間の時限措置、短時間勤務者が社会保険に加入すると保険料負担から手取り額が減少してしまう、ことを補填するために、会社が新たに手当を支給する。この手当は社会保険の算定から除外できる、というものです。新たな手当支給ですから、企業さんの判断次第ですが、世の中の関心が高い今、そしてパートさんを含めて人手不足が深刻な場合ですと、何らかの対応を迫られるのか、と感じます。もし手当新設となれば、賃金規程等にも記載し、管轄の労働基準監督署へ届出が必要となります。

(2)「事業主が、≪人手不足による一時的な収入増で130万円以上だよ≫!と証明する被扶養者認定」

年収が130万以上になると、社会保険の被扶養者ではいられなくなります。=ご自身でなんらかの社会保険に加入必須=新たに保険料がかかる!

最大2年間の時限措置、労働時間の増加で収入が増えても「一時的な収入変動」と事業主さんが証明することで、そのまま被扶養者認定が継続できる、という仕組みです。事業主証明に使う用紙も発表されました。冒頭の説明文には「人手不足による労働時間延長等に伴う一時的なものであることを証明します」と記載があります。これがあると、年末に多発するパートさんの就業制限がなくなりそうですね。でもこれは永遠ではありません。3年後に労使で揉めないでしょうか・・・^^;

事業主・加入者のみなさまへ「令和5年度被扶養者資格再確認の実施方法等について」(令和5年11月9日更新を加筆しました)

詳しくは「事業主の証明による被扶養者認定Q&A」をどうぞ。

(3)キャリアップ助成金・社会保険適用時処遇改善コース

最大2年間の時限措置、いわゆる「106万の壁」問題対応で、こちらの助成金が新設されました。短時間労働者が社会保険に加入した際の手取り収入の減少に対応するため、賃上げや所定労働時間の延長などの取り組みを行った場合に最大50万円の助成が行われ、社会保険適用促進手当もこの対象となります。1年目、2年目は助成金で「社会保険適用促進手当」などの手当額に充てられますが、3年目からは企業努力によるもの、となります。今後の企業負担は避けられません^^;ここをどのように考えるのか?今後、わが社が短時間勤務者さんへどのような取り組みをしていくのか?考えどころなのだと思います。そもそも社会保険にフツーに加入しているみなさんからどう見えますか?

新設した手当を未来永劫支給するのか?時限措置的な手当だと明確にして支給するのか?すでに年収106万以上で通常加入しているみなさん、正社員さんたちにどのようなメッセージを出すのか?わたくしは悩ましいと感じています^^;

キャリアップ助成金・社会保険適用時処遇改善コース

キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)のご案内(リーフレット)

キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)のご案内(パンフレット)

    ≪2023/10/6≫

    「人手不足への対応が急務となる中で、短時間労働者が「年収の壁」を意識せず働くことができる環境づくりを支援するため、当面の対応として下記施策(支援強化パッケージ)に取り組むこととし、早急に開始する。さらに、制度の見直しに取り組む。」と発表されました。

    私見ですが、まだ実務レベルまで詳細が分かっていません。

    いましばらく情報収集をしながら、自社で本当に活用できるものを見極める準備期間だと考えています。

    どれも短期目線、2年を限度とした臨時的な施策ばかりです。

     

    令和6年10月から51人以上の企業さまに社会保険の適用拡大がされます。

    令和6年10月からの適用拡大(日本年金機構サイトから引用)

    本当にみなさまのお役に立ちますでしょうか???という印象です。

     

    大きく分けると3つあります。

    ・年収106万以上になると社保加入!となる

    ⇒手取り収入を減らさない取り組みをする企業に1人あたり2年を限度に最大50万支援(キャリアップ助成金)

    ⇒2年経過したら助成金が終わる、その後は企業任せ???

    ・事業主が、手取額が減らないよう「社会保険適用促進手当」を創設したときは、本人負担分の社会保険料相当額を上限に2年に限り社会保険料の算定対象としない

    ⇒社保には算定除外だけど、労働保険には算定対象?給与計算事務を考えるとコワイ^^;

     

    ・年収130万円以上になると社保加入!となる

    ⇒収入が一時的に上がったとしても事業主がその旨を証明することで、引き続き被扶養者認定が可能

    ⇒「扶養確認」のタイミングで2年間事業主が証明「人手不足による一時的な残業です」、一時的じゃないといけないってどういう状態???

    あくまでも「一時的な事情」として認定を行うことから、同一の者について原則として連続2回までを上限(2年)、とのことです。

    ・配偶者手当への対応・・・見直し手順が今後発表されるそうです

    「見直しの具体例:配偶者手当を廃止又は縮小し、基本給や子どもへの手当を増額」

    「収入要件のある配偶者手当が、社会保障制度とともに、就業調整の要因となっているとされている。配偶者手当の見直しは、現在支給されている人にとっては不利益変更となりうるため、労働契約法や判例等に留意した対応が必要。 配偶者手当の見直しの必要性・メリット・手順等について、業等への理解を深めることが必要。」このような趣旨とのことです。

    「年収の壁」への当面の対応策

    年収の壁・支援パッケージ

    年収の壁・支援強化パッケージ概要(印刷用)[1.2MB]別ウィンドウで開く
    (厚生労働省サイトから引用)