社長!ご存じですか?Vol.10「とりあえず休職で…」が危険?会社が間違えやすい休職対応
この記事で分かること
・「とりあえず休職」が危ない理由
・休職前に会社が確認すべきこと
・休職中の連絡で気をつけるポイント
・復職トラブルを防ぐ実務対応
こんな方におすすめです
・診断書が出た社員をどう扱うか迷っている
・休職制度はあるが、実際の運用に不安がある
・休職中の社員への連絡方法に悩んでいる
・復職時や休職満了時に揉めたくない
「社長、とりあえず休職にしておきますか?」
メンタル不調の診断書が出たとき、
現場ではよくこの言葉が出ます。
たしかに、休ませることは大切です。
でも、
“とりあえず休職”は危険です。
なぜなら、
休職は入口だけで終わらないからです。
休職開始日。
休職期間。
給与の扱い。
社会保険料。
連絡方法。
診断書の再提出。
復職判断。
休職期間満了時の扱い。
ここを曖昧にしたまま進めると、
復職のタイミングで揉めます。
「戻れます」
「まだ無理では?」
「軽い仕事ならできます」
「元の部署に戻れないなら困ります」
このあたりで、
会社が一気に苦しくなります。
休職は“休ませるだけ”ではありません
厚生労働省の職場復帰支援の手引きでは、
メンタルヘルス不調による休業について、
休業開始、休業中のケア、復職可否の判断、
復職支援プラン、復職後のフォローまで一連の流れとして
整理することが示されています。
つまり、休職対応は、
「診断書が出たから休み」
で終わりではありません。
会社として、
どの制度で休ませるのか。
いつまで休職できるのか。
復職の判断は誰がどう行うのか。
ここまで見ておく必要があります。
特に中小企業では、
就業規則に休職規定はあるけれど、
実際の流れが決まっていないことが多いです。
というより流れがあっても、
どうやればいいかよく分からないまま
なんとなく?進めてしまうこともあります。
これが、あとで揉める原因になります。
保存版:休職開始前チェックリスト
□ 就業規則に休職制度があるか
□ 休職開始日はいつか
□ 休職期間はどのくらいか
□ 有給休暇・欠勤・休職の順番を確認したか
□ 給与の有無を説明したか
□ 社会保険料や住民税の扱いを説明したか
□ 傷病手当金申請書や診断書の提出時期を決めたか
□ 休職中の連絡窓口を決めたか
□ 復職時に必要な書類を説明したか
□ 休職期間満了時の扱いを確認したか
ここを最初に説明しておくだけで、
本人も会社もかなり安心します。
逆にここが曖昧だと、
「聞いていない」
「そんな扱いになると思わなかった」
となりやすいです。
休職中の連絡も注意が必要です
休職中だからといって、
毎週のように会社から業務連絡をするのは危険です。
1か月に1回程度、本人から生活の様子を報告してもらう、
この程度が適切だと思います。
方法は、書面、メールがおススメ、予告なしの電話は避けましょう。
本人は療養中です。
本人からの報告もなし、
そして会社からまったく連絡しない状態では、
復職準備ができません。
厚生労働省の「こころの耳」では、
休業中の労働者の状態把握は重要としつつ、
休職中は労働提供義務を理由に報告を課すことはできないため、
状態に合わせた連絡方法や
就業規則上の定めが必要になると説明されています。
つまり、
連絡しすぎても危ない。
放置しすぎても危ない。
ここが難しいのです。
対応ポイント整理
- 休職は就業規則に沿って進める
社長の感覚で決めると、あとで説明できません。
まずは自社の就業規則を見て、
休職規定を確認します。 - 最初に本人へ流れを説明する
休職期間、診断書、連絡方法、復職時の手続き。
療養前に、できる範囲で整理して伝えます。 - 連絡窓口を一本化する
社長、上司、人事が別々に連絡すると、
本人も混乱します。
会社側の窓口を決めておきます。 - 復職は“本人の希望だけ”で決めない
「戻りたいです」だけで復職させると危険です。
主治医の診断、必要に応じた産業医等の意見、
業務内容、職場の受け入れ体制を確認します。
こころの耳でも、職場復帰支援は診断書提出から休業中、
復職前の調整、復職後フォローまでのプロセスで行うものとされています。 - 管理職だけに任せない
メンタル不調の休職対応は、管理職がかなり疲弊します。
本人への配慮、現場の人員調整、復職後の業務配分。
全部を現場に背負わせると、真面目な社員ほど疲れていきます。
まとめ
休職対応で大切なのは、
やさしく休ませることだけではありません。
会社として、
制度に沿って扱うこと。
特にお金のことは丁寧に説明。
本人に流れを説明すること。
休職中の連絡方法を決めること。
復職判断を慎重に行うこと。
ここまで含めて、休職対応です。
「とりあえず休職で…」
この一言で進めてしまうと、
後から会社も本人も苦しくなることがあります。
メンタル不調の対応は、
個別事情によって判断が変わります。
迷う場面では、会社だけで抱え込まず、
社労士や産業医などに確認しながら
進めるのが安全です。
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事業主と社労士のハーフから一言
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人のことで悩むのは、
経営者にとって宿命のようなものかもしれません。
もちろん、
わたくし自身も日々悩みながらです(^-^)
だからこそ、
1ミリでも前進できたなら、
それは本当に素敵なことだと思っています。
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次回予告
次回は、「退職・法的トラブル編」、
【Vol.11「退職代行から突然連絡…」社長が絶対にやってはいけない初動対応とは?】です。
本人からではなく、
退職代行から突然連絡が来る。
社長が感情的に動くと、
その初動がトラブルを大きくすることがあります。
「うちも似た状況かも…」
と思った経営者の方は、
お気軽にご相談ください。
“問題が大きくなる前”の対応、
結果的にこれが一番コストを減らします。




